
「自分って、こんなにがんばったんだ」
長い入院や治療の日々は、子どもにとっても、そばで支えてきたご家族にとっても、目の前の一日を乗り越えることに精いっぱいだった時間かもしれません。
長い入院や治療の日々を、親子で振り返る機会は、日常の中ではなかなかないかもしれません。「つらかった経験を、あえて思い出したくない」と感じることも、ごく自然なことです。
「ふりかえりビーズ」は、つらかった記憶を無理に振り返るのではなく、子ども自身のペースで少しずつ治療や入院生活をたどりながら、研修を受けた医療者である「ビーズ大使」と一緒に、その一つひとつをビーズで形にしていくプログラムです。
治療や検査だけでなく、できるようになったこと、悔しかったこと、支えてくれた人との出会い、学校生活や日々の成長にも目を向けていきます。
ビーズをつなぎ終えたとき、それまで「つらかった」としか思えなかった経験の中に、
「自分は、こんなにがんばってきたんだ」
という新しい気づきが生まれることがあります。
そしてご家族にとっても、子どものがんばりや成長をあらためて知り、「私たちも一緒に歩んできた」と、親子の時間を認め合う機会になります。
一つひとつのビーズが、歩んできた道のりを確かめ、自分の力に気づき、これからの未来へ進むための小さな自信になることを願って——。
今回、一人のお子さんの体験を通して「ふりかえりビーズ」を紹介する動画が完成しました。ぜひ、お子さんと一緒にご覧ください。
がんばってきた時間をビーズでつなぐ「ふりかえりビーズ」〜長期入院を経験した子どもの物語〜
[ YouTube動画 : 約5分 ]
※本動画は、公益財団法人ベネッセこども基金「重い病気を抱えるこどもの学び支援活動助成」を受けて制作しました。
治療後にも取り組める「ふりかえりビーズ」
「ビーズ・オブ・カレッジ」は、導入医療施設で入院・治療中の子どもたちが、治療や検査などの経験を、それぞれに意味のあるビーズでつないでいくプログラムです。
しかし、すべての医療施設に導入されているわけではありません。また、導入医療施設で治療を受けていても、入院中は心や体がつらく、ビーズに取り組めなかったお子さんもいます。
「ふりかえりビーズ」は、そうした子どもたちが、治療を終えた後にも自分の経験を振り返り、つないだビーズとして残せるプログラムです。
ビーズ大使との対話を通して、治療や検査、入退院などの出来事を少しずつたどり、それぞれの経験を表すビーズを選んでつないでいきます。
入院や検査、治療など、一つひとつの経験には、それぞれの出来事を表すビーズがあります。特に自分ががんばったと思う出来事には、きれいなとんぼ玉のビーズを「がんばったねビーズ」として自分で選びます。ビーズを手がかりに当時の記憶をたどることで、自分の経験を整理し、家族や周囲の人にも伝えやすくなります。
振り返る内容や話すペースは、一人ひとり異なります。うまく言葉にできない気持ちも、色や形の異なるビーズを選び、手を動かしながら話すことで、少しずつ表現できることがあります。

動画で見る「ふりかえりビーズ」
動画では、長期入院を経験した一人のお子さんが、ビーズ大使とおしゃべりをしながら、これまでの経験を振り返っていきます。
「一番印象に残っているビーズは?」
「治療中、特にがんばったことは?」
「入院中や退院後に、できるようになったことは?」
以前につないだビーズを見ながら当時のことを思い出し、治療や入院生活、学校での出来事などを、自分の言葉で話していきます。
完成したビーズは、治療の記録だけではありません。
長く、ずっしりと重くなったビーズは、たくさんの治療を乗り越えてきたこと、その間にもさまざまな経験を重ね、成長してきたことの証です。
完成したビーズは、これまでの歩みを残すだけでなく、これから困難に出会ったときに、「あのときもがんばることができた」と自分の力を思い出すきっかけにもなります。成長してからあらためて手に取ることで、当時とは違う視点から、自分の経験を見つめ直すこともあります。
動画に映る表情や会話から、「ふりかえりビーズ」がどのような時間なのかを感じていただけたらと思います。

治療以外の経験も「まなびのビーズ」に
入院中や治療中であっても、子どもたちの学びや生活は続いています。
動画では、「できたね」「くやしいね」「ありがとう」の3種類の「まなびのビーズ」も登場します。
院内学級やオンライン学習で取り組んだこと、できるようになったこと、思うようにいかず悔しかったこと、支えてくれた人への感謝などを振り返り、それぞれの経験をビーズで表します。
治療の記録だけでなく、その子らしい生活や学び、成長の歩みも一緒につないでいくことを大切にしています。

お子さんの「やってみたい」を大切に
治療の日々を振り返るタイミングや、そのときに話せる気持ちは、一人ひとり違います。
今はまだ思い出したくない、うまく話せないという気持ちも、大切なその子の気持ちです。無理に振り返る必要はありません。
一方で、動画を見て「自分もビーズをつないでみたい」「自分のビーズを作ってみたい」と感じるお子さんもいるかもしれません。
まずはぜひ、ご家族で動画をご覧いただき、お子さんの気持ちを聞いてみてください。

「ふりかえりビーズ」のこれまでの活動(2026年)
シャイン・オン・キッズでは、対面やオンラインで「ふりかえりビーズ」を開催しています。これまでの活動の様子も、ぜひご覧ください。
・TSURUMIこどもホスピスで「ふりかえりビーズ」を開催の様子はこちら(2026年6月実施)
・オンライン・ふりかえりビーズの開催の様子はこちら(2026年7−8月実施)
・AYA WEEK2026に「ふりかえりビーズ」ワークショップ開催の様子はこちら(2026年3月実施)
次回の開催について
「ふりかえりビーズ」は、治療を終えて退院している小学生以上のお子さんを対象に、対面とオンラインで開催しています。参加費は無料です。
次回は、オンラインで2026年冬、対面で2027年3月の開催を予定しています。
募集については、シャイン・オン・フレンズやシャイン・オン・メンバー向けのニュースレターでお知らせします。
◾️ビーズ・オブ・カレッジ Beads of Courage (勇気のビーズ) アメリカ発祥の小児がんなどの治療を受ける子どもが、治療ごとに意味のあるビーズをつなぐアート介在療法。 日本ではシャイン・オン・キッズによって行われており、現在35病院で展開中。
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