リンパ腫とは

リンパ腫とは血液がんの1つで、白血球の中のリンパ球ががん化したものです。発生する部位は、リンパ系組織とリンパ外臓器(節外臓器)の2つに大きく分けられます。リンパ系組織は、細菌やウイルスなどの病原体の排除など免疫機能を担当する組織や臓器で、リンパ節や胸部付近にある胸腺きょうせん、脾臓ひぞう、扁桃などです。リンパ外臓器(節外臓器)は骨髄、肺などの臓器です。リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、リンパ腫は全身の部位で発生する可能性があります。

リンパ腫の原因は明らかではありませんが、染色体の異常によりリンパ系細胞ががん化して発症すると考えられています。また、一部にはウイルス感染症が関係することや、免疫不全者に多いことがわかっています。

リンパ腫は全身のあらゆる部位に起こる可能性があることや、病型などにより増殖速度が異なることから症状はさまざまです。痛みのないリンパ節の腫れ、原因が明らかでない発熱や寝汗・体重減少などはリンパ腫を疑う症状の1つです。しこりなど腫瘤しゅりゅうにより気道や血管、脊髄せきずいなどの臓器が圧迫されると、呼吸困難(気道閉塞)、血流障害、麻痺などの症状があらわれ、緊急で治療が必要な場合もあります。

▶リンパ腫〈小児〉 全ページ:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]