私ががんと診断されたのは、14歳の夏休みでした。
最初はまったく実感が湧きませんでした。
ただ、小さい頃一度がんになっていたからか、その事実だけはすとんと胸に落ちました。
最初、私は泣きませんでした。
ただ、涙ぐむ母を見てどうしようもなくやるせない気持ちになったのを覚えています。
「母が泣いているのは、2度もがんになった息子に対して申し訳ないと思ってしまっているからかもしれない。だとしたら、むしろこちらの方が申し訳ない事をしたな」
病院の待合室で、こんな事を考えていると、私も泣きそうになってしまい必死に堪えていました。
ただただやるせない気持ちが頭の中を埋め尽くしてくる。告知された日は、そんな1日でした。