私が病院食を食べなくなったのは、入院してわずか3日目。

最初の2日間は、初めての場所で出てくるご飯に多少の興味があって、1日目のお昼から2日目の夜までに5食は食べました。

でも3日目の朝からは、薄い味付けと代り映えしないメニューにうんざりしてしまいました。

お菓子や、病院の売店で売っているお弁当やカップラーメンなどがすごく魅力的で、これらをたくさん食べるようになりました。

味もそうですが、何よりも食器の「におい」が私は苦手でした。

抗がん剤治療をすると嗅覚が敏感になるんですよね。

病院の食器は割れないようにプラスチックだったので、前に乗っていた料理が匂いでわかってしまうのです。

「ハンバーグのにおいがするさんま」なんてたまらなく嫌でした。