なお
なお

みなさまこんにちは!

小児がん経験者の大学生、なおと申します。

私たちは、約10か月間の研修を経た後、AYAweek2023の中で、生配信とおしゃべり会を行いました

なお
なお

それぞれの闘病経験や、その後の日常生活について、チームメイトや視聴者のみなさんとトーク&共有をすることで、無事に研修を締めくくることができました。

あっという間に過ぎたようで、本当に様々な体験をし、かけがえのない仲間と出会えた約10か月。

最初は、この研修の前半4回を振り返ります。

第1回 2022年6月12日  アート・アンド・ロジック/7つの習慣①

2022年6月、私たちはzoom上で、初めて集まりました。

まずは、それぞれが自己紹介をし、この研修に参加しようと思った理由をシェアしました。
ひとりひとり、背景も想いも異なるけれど、ここで挑戦してみようという同じ気持ちが確かにありました。

アート・アンド・ロジック

お招きした増村先生の、

ますむら
ますむら

「アート」という言葉から何を想像する?

という質問から研修がスタート。

先生のお話を聴きながら、私たちも実際に紙にペンを走らせました。

様々なタッチが用いられた、1枚の絵をお手本に、やわらかく描いたり、細く速く描いてみたり。

自分自身のタッチで、好きなように線を描いているときには、自分の思考のリズムがそこに表れているような気がしました。

自由に落書きをするような感覚で、自分をさらに知ることができるということは、新しい発見でした。

7つの習慣①

初対面の私たちは、まだそれぞれ緊張していましたが、何事においてもまずは自分と向き合い、主体的であることがスタートラインです。

奥山先生のもとでは、自分を理解し相手を思い、関わりながら課題を解決していくためのヒント「7つの習慣」について学び始めました。

初日にお話しいただいたのは、

第1の習慣:主体的である

について。

私たちの周りは、自分ではコントロールできないことばかりです。
しかし、自覚や意思、想像力や良心といった力で、自分の思いや言動は、どんなときでも自分で選択することができます。

他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけである
(エリック・バーン)

研修中に学んだこの言葉は、病気の寛解後も、他の人とは少し違う身体と悩みを抱えて生活している私に対して、全ては自分次第であると語りかけているように思えました。

第2回 2022年7月17日  7つの習慣②

7月は、「7つの習慣」を集中的に学びました。

このとき、奥山先生にお話しいただいた第2、第3、第4の習慣は、私たちが今後、何かを実行しようとするときにとても大切な内容でした。

第2の習慣:「終わりを思い描いてから始める」

大事な行動を起こすとき、何かを達成したいとき、その目的や理由を持っていると、そのために自分が今どうなりたいか、何が必要なのかを考えることができます。

第3の習慣:「最優先事項を優先する」

ここでは、物事を、重要性と緊急性からとらえてみました。
緊急性を横軸、重要性を縦軸で表し、物事を4分割して整理する図法

今一番するべきことがはっきりし、目的を優先した時間の管理ができるのだとわかりました。

第4の習慣:「Win-Winを考える」

これは、お互いが目指している結果を、協力して手にすることです。
そのためには、相手の気持ちを考える思いやりと、自分の気持ちを言う勇気をバランスよく持っていることが大切だと学びました。

だれか
だれか

「自分の言いたいことばかり言っていると相手がどう思うか?」

という問いかけはされたことがあっても、

おくやま
おくやま

「自分の言いたいことがずっと言えなかったら、自分はどんな気持ちか」

という質問に、私は考え込みました。

なお
なお

言いたくても言えなかったこと、今も言えずにいることを、本当は誰かに聴いてほしい

という想いは、自分が思うよりも強く私の中にあるかもしれないと気が付いたからです。

早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいのならみんなで行け。

これは、この研修を通して、ずっと意味を実感していた言葉です。

チームメイトのみんなのことをもっと知ることができたら、同じように抱えているかもしれない気持ちを共有し合い、よりみんなの想いに沿ったアイデアを実践していけるかもしれないと感じました。

第3回 2022年8月28日  7つの習慣③/アサーティブコミュニケーション

8月は、「7つの習慣」の総まとめをし、コミュニケーションの勉強をしました。

7つの習慣③

第5の習慣:「まず理解に徹し、そして理解される」

互いをフェアに理解し合えると、協力したときにより大きなパワーを発揮できます。

そしてこれは、

第6の習慣:「シナジーを創り出す」

ことにつながるはずです。

それぞれの相違点を尊重すれば、ただそれらを合わせたよりも、さらによいものが生まれるのだと、私たちは約10か月の研修の中で、身をもって感じました。

そして、これらの習慣を続けていくために重要なこと

第7の習慣:「刃を研ぐ」

自分の心と身体を大切にし、知性を身に着け、人との関係を大切にすることで、今後もよりよい活動をしていきたいと思います。

アサーティブコミュニケーション

続いては、シャイン・オン!キッズの下枝さんのお話のもと、「アサーティブコミュニケーション」について学びました。

これは、普段から何気なく続けている人とのかかわり方を、客観的に見つめるとてもよい機会になりました。

アサーションとは、「健全な自己主張」という意味の言葉であり、相手と対等な立場で自己主張をするためのコミュニケーションスキルのことを指します。

アサーティブコミュニケーションとは、自分の気持ちを大切にしながら、相手への気遣いも忘れず、わかりやすく伝え合うことです。

私たちは研修中、アサーティブコミュニケーションの表現方法の一つ、「I(アイ)メッセージ」で伝えることを特に大切にしていました。

自分を主語にして、

わたし
わたし

私は~と考えています

と話すことで、わかりやすく、誠実に意見を出し合うことができました。

第4回 2022年9月25日  ふりかえりビーズ

9月には、シャイン・オン!キッズが長年行っているプログラム「ビーズ・オブ・カレッジ」の中から、「ふりかえりビーズ」に取り組みました。

自分が過去に受けた治療や、病気に関する経験など、それらひとつひとつを表すビーズを、回数や内容もあわせて振り返りながら、糸につないでいきます。

検査や手術、放射線治療などの治療のビーズの他、

  • 誕生日
  • 院内学級に通い始めたとき
  • 髪の毛が抜け始めたとき
  • 歩く練習をしたとき
  • など、つなぐ種類も順番も、人それぞれ全く異なるのが面白いところです。

    私自身、長期入院を経験した幼いころ、当時アメリカから日本に導入されたばかりのビーズをつないでいたことがありました。

    そのときを思い出しながら当時の生活を振り返ると、闘病中の出来事や今までの気持ちを大切な自分の一部として受け入れられるように思いました。

    「ビーズ・オブ・カレッジ」では、ビーズというポジティブなものにより、その子がそのとき生きた証、頑張りの記録が形として残ります。

    入院中、幼い私がわくわくし心から楽しみにしていたビーズは、時を超えて、今の私に勇気や誇りを与えてくれるものになっています。
    治療を終えてから10年以上たった今、こうして再びビーズをつなぐことができ、本当に嬉しかったです。

    なおのビーズ

    第4回までの研修で、自分が知らない自分の姿とチームメンバーのこれまでの経験を知りました。
    第5回からは、いよいよこのチームとして何に取り組むかを計画していきます。

    りょうた
    りょうた

    みなさま こんにちは! 診療放射線技師を目指す大学生のりょうたです。
    ここからは、私たちのチーム Canpassの誕生秘話をお伝えします。

    第5回 2022年10月16日から  「Canpass」誕生までの道

     第4回(9月25日)頃から、私たちのチーム名をどうするかミーティングで検討していました。
    1人1人がチーム名の案を出すものの、ピンとくるものが全くでないまま、2か月が過ぎようとしていました。

     当時の案として、さまざまな色をイメージした「クレヨン」「パレット」「レインボー」の言葉がありました。
    第7回(12月18日)のミーティング時に、ふと、絵を描く時に用いられる「Canvas」という言葉がでました。

    しかし、チームの全員が面白い間違いをしていたのです。

    絵を描くときに用いられる「Canvas」を「Campus」と間違い、かつ、読み方もキャンパスと呼んでいたのです。

    絵で用いられるのは「Canvas : キャンバス」で「Campusはノートの商品名、または大学の構内」という意味になってしまいます。
    ただ、どことなくキャンパスという響きがこれまででてきた案の中で1番良かったのです。
     
     そうこうしているうちに、

    みんな
    みんな

    「絵で用いられるのって、キャンバスじゃない?」

    と気づき、またまた、チーム名決めは振り出しに戻りそうになりました。

    みんな
    みんな

    「Canvasのように、何もないところに色を描いて、自分たちらしさを表現するもの」

    が私たちにとってとてもしっくりくる言葉だったのです。
    そこで、パズルのピースとピースが合ったかのように、「Canpass」という言葉がひらめいたのです。

     この「Canpass」とは、がんという意味のCancerと、何かを乗り越える、通過するPassという意味を合わせた言葉です。

     この言葉が出てきたときは、「まさに、これだ!!」と、チーム全員が思えた瞬間でした。
    チーム名「Canpass」が決まった瞬間は、よりチームの一体感が増しました。
    その後のミーティングでは、zoomの背景画に「Canpass」という言葉を入れて、写真を撮りました。

    Canpassの文字が入った、背景画像

    一体感とは、まさにこのことなんだと感じました。

     いよいよチーム名が決まった、Canpassのメンバー。
    一体感がましたこのチームで、課題解決のための方法を探ります。

     

    第1回 講師 アート・アンド・ロジック株式会社 増村 岳史様
    第1回〜第3回 講師フランクリン・コヴィー・エデュケーション・ジャパン株式会社 奥山 修様
    主催:認定NPO法人シャイン・オン・キッズ
    助成:電通育英会