保育支援の目標は、医療を要する子どもと家族のQOLを向上させることである。
Lifeにはさまざまな意味を込めることができるため、QOL概念については共通理解を得るまで至っていないといわれる。
しかし以下のような理由から、この概念を用いることが一般化してきた。
– 医療の目標を身体症状の改善だけでなく、心理状態や社会関係など、総合的に捉えようとすること。
– 本人の満足度など主観的な側面を重視すること。
– 病気であることをプラスに転化するきっかけにしようとすること(中川 薫:1995)。
保育士も医療チームの一員として、子どもと家族の「良い状態」を創り出し、充実度(満足度)を高めることを目指さなければならない。
QOL重視の立場は、子どもが医療の主体となることができるよう、子どもと家族、医療従事者が協働することを求める。
子どもは成長発達の途上にあり、自分の置かれた状況を理解し、意思決定する力を育てていく教育的なアプローチが必要となる。
また、保護者が子どもに関わる専門職として把握した情報も重要となる。
保育士が子どもの気持ちを代弁する場面も少なくないと思われる。