横紋筋肉腫とは
横紋筋肉腫は、筋肉などの軟らかい組織(軟部組織)から発生する軟部肉腫の1つです。
筋肉は、横紋筋と平滑筋に分けられます。横紋筋は、さらに、骨格筋と心筋に分けられます。
横紋筋のうち、骨格筋は骨格に付着し、体を動かすことを主な働きとしています。自分の意思で動かすことができます(随意筋)。また、心筋は心臓の壁を構成し、心臓の収縮を主な働きとしており、自分の意思で動かすことはできません(不随意筋)。一方、平滑筋は消化管や気道などの内臓や血管の壁にみられる筋肉で、心筋と同様に、自分の意思で動かすことはできません(不随意筋)。消化管では、収縮によって食べ物を前進させるぜん動運動などの働きをしています。
横紋筋は、筋線維が集まって構成されており、その名の通り、横じまの模様がみられます。
横紋筋肉腫は、将来、骨格筋(横紋筋)になるはずの細胞から発生した悪性腫瘍で、軟部悪性腫瘍としては小児で最も多くみられます。
横紋筋肉腫は、病名に使用されている「横紋筋」(骨格筋)だけではなく、全身のあらゆる部位から発生します。特に、泌尿器や生殖器、傍髄膜ぼうずいまくや眼窩がんかを含む頭頸部とうけいぶ、四肢によくみられます。