シャイン・オン!キッズのシャインだよ。
小児がんや重い病気を経験した子どもたちが集まって開催した「おしゃべり会」。病気になった時期は赤ちゃんの頃や小学生、中学生といろいろ。病気の種類や今の状況はそれぞれだけど、病気になって困ったことや感じていること、これからに向けて考えていることを話したり、聞き合ったりしたんだ。絵カードから自分の気持ちに合うものを選んで、その理由や気持ちも話したんだって。どんなおしゃべりがあったのか、のぞいてみよう。
抗がん剤の副作用で髪が抜け、ウィッグで過ごしていた頃のこと

復学してしばらくの間、髪がないことで学校に行くことに抵抗を感じていた。前から風が吹いてくると、あせって前髪を押さえたりして。少しズレた時に、周りの子から「髪切った?」と聞かれると、話を合わせることもありました

ウィッグがズレていないかをいつも気にしていました。給食係だった時、配膳を終えて給食帽を脱いだ時に、朝セットしたウィッグが取れたことがあって…。偶然、周りに他の子がいなかったので見られずにすんだけれど、冷や汗ものでした

ウィッグを付けている間は、周りの目線が気になって、学校にあまり前向きになれなかった。自分の状態や気持ちを周りの人に話せるようになったのは、ウィッグが取れてから。病気になった自分を受け入れるのにも時間がかかるよね…
つらい時は、「無心になれるもの」を心の支えに

入院中、からだ中が痛くて寝ていることしか出来ない時にはNetFlixで好きな映画を観て癒されてた。自分で工夫して時間をやり過ごすしかなかったから、ダイヤモンドアートビーズや折り紙でドラゴンなど難しいものにチャレンジしたりして、無心になれるものを探してました

僕も折り紙をずっとやっていた! 移植手術をした時はベッドから動けなかったから、ずっと「サザエさん」を流していて、3周ぐらいしたかもしれない(笑)。あとはひたすら、ファシリティドッグたちの絵を描いてましたね

無心になれるものって大事だよね。日常生活を送っている中でも、つらいなと思う時には、好きなことやるに限ると思っていて。私は数学が好きなので、難しい計算をしていると無心になって気持ちが落ち着いてくる。ちょっと変わった趣味だけどね(笑)
他の人の体験談を聞いて感じたこと

病気になったという共通点はあるけれど、そのタイミングや今の状況が少しずつ違うんだな、とあらためて気付いた気がする。ひとり一人、それぞれだなぁというのを感じた

入院中に経験したことや退院して困ったことは、誰とでも話せることじゃないから、共感し合えてうれしかった

私は赤ちゃんの頃に治療したので記憶がないから、みんなの経験を聞かせてもらえたのがとても良かった。いろいろな病気のとらえ方があることを知ることが出来ました。こうして集まって病気のことを話せる仲間がいることをありがたいな、と感じました
これまでの自分を振り返って

僕は、病気がわかった時から「どうにかなるさ」と楽観視していた気がする。治療はつらかったけれど、そこだけに気持ちがとどまっているわけじゃないな、とあらためて思う

自分の経験を話す機会があることで、みんなとつながりを感じられるのはいいなと思う。私の話に関心を持って、質問してくれたり共感してもらえると、みんなで手を取り合っている感じがする

大好きなお兄ちゃんがいますが、入院中は会えなかったし、ママが私に付き添っていたので、きっと寂しかったんだろうな、と思いました。私自身は覚えていないけれど、家族みんなが頑張ってくれたんだな、と思いました
明日に向かって、希望と不安を抱えながら

体調が良くないので、行ける時だけ登校している状況なので、今後についてどうしようかな、と思っているところ。ただ、どんなかたちかになるかはまだ見えないけれど、いつか人の役に立ちたい、という未来を夢見ている

やりたいことはたくさんあるけれど、やるべきことも多いので、そのバランスをとることにちょっと苦労しているのが今かな

自分の目指す場所に向けて、どこまでいけるかな。頑張りたい気持ちはあるけれど、出来ないかもしれないと弱気になる時もあって…葛藤があります

春から新しい環境になるので、周りの人に自分の言いたいことを伝えたいし、やりたいことにも取り組んで、自分の居場所を作っていけたらいいな!
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少し前の自分を振り返ったり、今感じていることを言葉にしたり。あわせて、他の人の話を聞くことで自分はどう思っているのかと向き合う時間になったみたいだね。
「おしゃべり会」を今後もやっていく予定なので、おしゃべりしたいな、というお友達は楽しみに待っていてね!